就労継続支援事業所への運営指導が本格化

「返還」を求められる前に、今すぐ確認しておきたいこと

最近、就労継続支援事業所、特に就労継続支援B型事業所に対する運営指導や運営指導が厳しくなっています。

確認されるのは、単に必要な書類がそろっているかどうかだけではありません。

実際に行った支援と記録が一致しているか。

加算の算定要件を満たしているか。

請求したサービスについて、根拠資料を示して説明できるか。

こうした点まで細かく確認され、内容によっては、過去にさかのぼって報酬の返還を求められる可能性があります。

「支援はきちんと行っているから大丈夫」

そう思っていても、その事実が適切な書類や記録として残っていなければ、運営指導の場で十分に説明できません。

今回は、就労継続支援事業所が特に注意しておきたいポイントをご紹介します。

在宅支援は「毎日の記録」だけでは足りません

在宅支援を行っている事業所では、日々の支援記録に加えて、定期的な評価や面談、作業状況の確認、支援内容の見直しなどが適切に行われているか確認されます。

よく見られるのが、次のような状態です。

・連絡した記録はあるが、具体的な支援内容が分からない
・毎日ほぼ同じ文章が記載されている
・利用者の作業状況や体調の変化が記録されていない
・定期的な評価や面談の記録がない
・個別支援計画と実際の在宅支援がつながっていない

「電話をした」「体調を聞いた」という記録だけではなく、その結果を踏まえて、どのような助言や支援を行ったのかまで残しておくことが大切です。

在宅支援の割合が高い事業所ほど、改めて記録の内容を確認しておく必要があります。

施設外就労は、契約書から工賃まで確認されます

施設外就労については、委託先との契約書があれば問題ないというわけではありません。

運営指導では、契約内容、実際の作業、利用者の参加状況、職員配置、委託料(委託先との関係)、工賃(単価)の計算や支払い(余剰金など)まで、それぞれの内容が一致しているか確認されます。

例えば、次のような食い違いには注意が必要です。

・契約書に記載された作業と、日々の支援記録の内容が違う
・利用者の参加記録はあるが、職員の同行や配置が確認できない
・委託料の入金と、利用者へ支払った工賃の関係を説明できない
・施設外就労を行った日に、担当職員が別の勤務になっている

施設外就労の書類は、一枚ずつ確認するだけでは不十分です。

契約、作業、職員配置、請求、入金、工賃の支払いまでが、一本の線でつながっているか。

この視点で確認することが重要です。

加算は「実施した」ではなく「証明できるか」

食事提供体制加算、送迎加算、医療連携体制加算などは、実際にサービスを行っていたとしても、それだけで十分ではありません。

加算の対象者、実施日、支援内容、必要性、職員体制などについて、算定要件を満たしていることを資料で説明できる必要があります。

「食事は毎日提供していました」

「利用者を送迎していました」

「看護師には来てもらっていました」

このような口頭での説明だけでは、算定の根拠として認められない可能性があります。

特に医療連携体制加算については、看護職員が関わった事実だけでなく、なぜその利用者に看護上の支援が必要だったのか、どのような支援を行ったのかを説明できる資料が重要です。

利用者ごとの状態や支援内容が分からず、同じような文章だけが並んでいる場合は、改めて内容を確認しておく必要があります。

怖いのは「書類がないこと」だけではありません

運営指導対策というと、不足している書類を作成すればよいと考えられがちです。

しかし、実際に問題になりやすいのは、書類同士の食い違いです。

例えば、

・個別支援計画では通所支援となっているが、実際は在宅支援が中心
・支援記録と職員の出勤簿の時間が合っていない
・送迎記録はあるが、車両運行記録が残っていない
・加算を請求しているが、利用者ごとの根拠資料がない
・会議録の内容と、完成した個別支援計画がつながっていない
・モニタリングや計画書の日付の順番が不自然になっている

このような矛盾が見つかると、一つの書類だけでなく、関連する期間全体について確認される可能性があります。

大切なのは、書類の枚数を増やすことではありません。

支援の実態、職員の勤務、個別支援計画、日々の記録、加算、請求内容が、矛盾なくつながっている状態をつくることです。

運営指導の通知が届いてからでは遅いこともあります

運営指導の通知が届いてから、数か月分、場合によっては数年分の書類を確認するのは簡単ではありません。

一つの不足を修正しようとすると、別の書類との食い違いが見つかることもあります。

また、過去に実施していない支援や会議を、あとから実施したことにすることはできません。

そのため、重要なのは、実際に行った支援や残っている資料を確認し、行政に説明できる状態へ整理しておくことです。

運営指導対策は、通知が届いてから始めるものではありません。

何も起きていない今のうちに、自主点検を行うことが最大の備えになります。

まずは、次の5点を確認してください

1.個別支援計画と実際の支援内容が一致しているか

2.在宅支援や施設外就労に必要な記録がそろっているか 

3.請求している加算について、利用者ごとの根拠資料があるか

4.支援記録、出勤簿、送迎記録、請求内容に矛盾がないか

5.不足している書類や、説明できない請求が放置されていないか

一つでも不安な項目がある場合は、早めに確認することをおすすめします。

ハイタッチにできること

ハイタッチでは、介護・障害福祉サービス事業所の運営指導、実地確認、監査対応を専門に行っています。

単に書類のひな形をお渡しするだけではありません。

現在の運営状況や実際の支援内容を確認しながら、どの書類が不足しているのか、どこに返還のリスクがあるのかを一緒に整理します。

就労継続支援事業所については、次のような書類の確認や整備にも対応しています。

・個別支援計画
・アセスメント
・モニタリング
・サービス担当者会議録
・日々の支援記録
・在宅支援の評価記録
・施設外就労関係書類
・送迎関係書類
・各種加算の根拠資料
・研修、委員会、マニュアル関係書類
・運営指導当日の提出書類

独自に開発した書類作成アプリも活用し、事業所さまから提供いただいた実際の情報をもとに、必要な書類を効率的に整理できる体制を整えています。

「何が足りないのか分からない」

「加算の返還が心配」

「在宅支援の記録に自信がない」

「運営指導の通知が届いたが、準備が間に合わない」

このようなお悩みがある事業所さまは、できるだけ早い段階でご相談ください。

新規のご依頼は、原則として月4事業所までです

現在、全国の介護・障害福祉事業所さまから多数のご依頼をいただいております。

一件一件の運営状況や書類を丁寧に確認するため、新規の対応は、原則として月4事業所までに限定しています。

ご依頼が集中している時期や、運営指導の日程が近い場合には、対応をお受けできないことも増えてきました。

「通知が届いてから相談しよう」

「まだ運営指導は来ないだろう」

そう考えているうちに、準備期間が足りなくなることがあります。

書類や加算の算定に少しでも不安がある場合は、運営指導の通知が届く前にご相談ください。

今ある書類で、本当に支援内容や請求について説明できるでしょうか。

この機会に、一度事業所全体を見直してみてはいかがでしょうか。