「書類はあるから大丈夫」ではない?加算・研修・人員配置まで総チェック
前編では、
重要事項説明書
運営規程
計画書
モニタリング
BCP
感染症対策
など、運営指導でまず確認しておきたい基本的な部分について紹介しました。
後編では、普段の業務では少し忘れやすいものの、運営指導ではしっかり確認しておきたい部分を紹介します。
特に、
「書類は作っているけど、ここまでは見ていなかった」
となりやすいところです。
⑥ 虐待防止・身体拘束は「うちは関係ない」と思わない
訪問系の事業所などでは、
「うちは施設じゃないので身体拘束なんてしていません」
という話をよく聞きます。
もちろん、実際に身体拘束をしていないことは良いことです。
ただし、
身体拘束をしていないことと、
必要な体制整備をしなくていいことは別です。
サービス種別によって求められる内容は異なりますが、
・指針
・委員会
・研修
・職員への周知
・必要な記録
などが整っているか確認しておきます。
虐待防止も同じです。
「うちの職員は虐待しません」
だけではなく、
虐待が疑われる場合にどうするのか。
誰へ報告するのか。
事業所としてどう防止するのか。
職員へどのような教育をしているのか。
これを仕組みとして整えておくことが大切です。
⑦ 研修・委員会は「開催した証拠」がありますか?
運営指導対策をしていてかなり多いのが、
「研修はやっています」
「会議で話しています」
「みんな知っています」
でも、記録がない。
というケースです。
実施したのであれば、
・開催日
・研修や委員会の名称
・参加者
・内容
・決まったこと
・欠席者への周知
などが分かる形で残しておくと説明しやすくなります。
特に欠席者については、
「後で伝えました」
だけではなく、確認日や確認印などを残しておく方法もあります。
資料を大量に作ることより、
本当に開催したことが分かる記録を残す。
こちらの方が大切です。
⑧ 処遇改善加算は計画書を提出しただけでは終わらない
処遇改善加算も確認しておきたい項目です。
毎年、処遇改善計画書を作成して行政へ提出している。
それだけで安心してしまう事業所もあります。
しかし実際には、
・職員への周知
・賃金改善の実態
・就業規則
・給与規程
・キャリアパス
・職位や職責
・昇給の仕組み
・研修機会
・職場環境等要件
など、いろいろな部分が関係しています。
たとえば計画書には、
「職員へ周知している」
と書いていても、実際に職員へ確認すると、
「処遇改善加算の説明を聞いたことがありません」
となってしまう。
こういう状態は避けたいところです。
提出した計画書と実際の事業所運営が合っているかまで確認しておくことが重要です。
⑨ キャリアパスは名前だけ作っていませんか?
処遇改善加算を算定している事業所では、キャリアパス関係も確認しておきたいところです。
管理者
サービス提供責任者
一般職員
と役職名だけ設定していても、
それぞれ何を担当するのか。
どういう条件で昇格するのか。
職位によって賃金がどう変わるのか。
その根拠となる規程はどこにあるのか。
というところが整理されていないことがあります。
就業規則、給与規程、キャリアパス表、職務分掌、雇用契約書などの内容がバラバラになっていないかも、一度確認しておくと安心です。
⑩ WAM NETや情報公表は忘れやすい ←※減算になります。
日々のサービス提供記録や計画書は毎日触るので忘れにくいです。
反対に忘れやすいのが、
・WAM NET
・情報公表
・経営情報
・変更届
・各種加算届
・定期的な報告
といったものです。
年に一回程度しか触らない手続きほど、担当者が変わると抜けやすくなります。
「現場の書類は全部そろっているのに、公表関係だけできていない」
となるのは非常にもったいないです。
年間で必要な手続きは一覧にして、期限管理しておくのがおすすめです。
⑪ 人員基準は毎月確認しておいた方が安心
運営指導直前になって、
「この人、常勤換算に入れて大丈夫?」
「この月だけ人員足りてないかも」
「管理者との兼務ってこれでいい?」
となる事業所もあります。
人員基準はかなり重要です。
職員の入職や退職。
勤務日数の変更。
勤務時間の変更。
常勤から非常勤への変更。
こういったことがあれば、その都度確認しておいた方が安全です。
実は、最初から全部できている事業所の方が少ないです
ここまで読んで、
「うち、全然できてないかも……」
と思った方もいるかもしれません。
でも、そこはあまり気にしなくて大丈夫です。
「何もない」状態からでも整えていけます
実際には、
「書類が少し足りない」
というレベルではなく、
「ほとんど何も整っていない」
という状態からスタートすることもあります。
それでも問題ありません。
「できていないから相談できない」ではなく、「できていないから相談してください」

